転換期を迎えるベトナム経済 ー内需主導・高付加価値型成長への道筋ー
ベトナム経済の現状と今後の展望(マクロ・構造変化)


高付加価値化に向かうベトナム産業の転換期
従来、組立・加工拠点としてグローバルサプライチェーンの中で果たしてきたベトナムの役割は転換期を迎えつつあります。
実際、共産党中央委員会が打ち出している一連の決議では、科学技術、イノベーション、デジタル変革を国家発展の最重要ドライバーとし、2030年・2045年を見据えた高所得・技術先進国への移行が明確な目標として掲げられています。加えて、ベトナムの民間企業を成長の担い手と位置づけ、グローバル化と共にベトナム自身の実力向上を進める方針も示されています。このように、産業構造は従来の労働集約型製造業から、ハイテク産業等付加価値の高い領域へと多様化していくことが見込まれます。
一方で、これらのトレンドは急激に進むものではなく、徐々に進展していくと考えられます。実際、地方を中心に従来型の製造業投資の誘致も続いており、当面は新旧の成長モデルが併存する局面が続くと見ています。
日本企業の進出・投資はどう変わっているか
こうした経済・産業構造の変化は、日系企業の投資動向にも表れ始めています。これまで日本は、長きにわたりベトナムにとって最大の二国間ODA供与国として貢献、インフラ整備や制度構築への支援を通じて、ベトナム経済の基盤形成に重要な役割を果たしてきました。こうした基盤の上に、日系企業による直接投資(FDI)が拡大してきたという歴史があり、日系企業の対ベトナム投資は、現在も累計ベースでは高い水準を維持しています。 しかしながら新規の投資フローという観点では、足許、韓国やシンガポールのプレゼンスが拡大しており、直近では台湾系や中国系資本による投資活動も目立っています。
日本の対ベトナム投資の中身を見ますと、これまでは製造業を中心に着実に伸長してきました。現在も製造業の新規進出は継続している一方、既存拠点の拡張や追加投資の割合が増えてきています。また近年は、ベトナム国内の需要拡大を見据えたインフラ整備、不動産開発、工業団地建設などの案件が増加しており、中間層の拡大や都市化の進展を背景に、小売、食品、飲食、不動産など内需を取り込むビジネスへの関心が高まりつつあります。
このように、日系企業の対ベトナム投資は、従来の輸出生産拠点としての役割を維持しつつ、ベトナム国内市場の成長を視野に入れた展開へと広がりを見せています。
SMBCグループのベトナム戦略
私たちSMBCグループは、2026年から新たな中期経営計画を始動、「世界をつなぐ日本発のトラステッド・パートナー」であることをスローガンに掲げ、ここベトナムでもお客様に寄り添いながら、最も近くでビジネスをご支援していくことを目指しています。ベトナムと世界を結ぶ存在であり続けることで今後共、融資、決済、資金管理等、総合的な金融機能の進化を通じて、より安定的かつ付加価値の高い金融サービスを提供してまいります。
今年、ホーチミン支店は設立20周年を迎え、ハノイ支店も2028年に20周年という節目を控えています。これまでの歩みの中で培ってきた知見とネットワークを基盤に、2021年以降出資してきたVPBank Groupとの協業を軸として、マルチフランチャイズ戦略(※)の下で、ベトナムへのコミットメントを一層強化いたします。目覚ましい発展を続けるベトナム市場において、SMBCグループは挑戦を続けるお客さまの成長を力強くサポートするとともに、日越関係のさらなる発展に今後とも貢献してまいります。
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