動き出す企業に共通する、2 つの視点 ―ベトナム組織変革、最初の一歩の見つけ方【Vol.22-2026.9掲載】
なぜ動けないのか
多くの日系企業の経営者・駐在員と接する中で、共通して聞かれるのが「組織課題は分かっているが、なかなか動けない」という声である。人事制度が整っていない、教育が属人化している、離職率が高い―こうした課題感自体は、多くの企業がすでに認識している。以下はあくまで一つの見立てだが、外部の方々から伺う話を通じて見えてきた背景を整理してみたい。駐在員の任期は多くの場合数年単位であり、自分の代で投資を回収しきれないテーマには本腰が入りにくい。加えて、日々の売上や受注対応に追われる中で、組織課題は「今日どうにかなるわけではない」ため、優先順位が下がり続ける。そして、これらの結果として起きる先送りを、「ベトナムだから」という言葉で説明してしまうことも少なくない。しかし、離職率の高さや育成の難しさといった課題の多くは、実は日本国内でも起こり得る普遍的なマネジメント課題であり、「土地柄」だけに理由を求めてしまうと、本質的な打ち手を見失いかねない。
分かれ道になる「2つの視点」
動き出せる企業とそうでない企業を分けるものは何か。大掛かりな制度や特別なノウハウの有無ではなく、次の2点が明確になっているかどうかだと考えている。

自分たちの現在地を測る「3つの問い」
上記➀の現状把握について、簡単な問いで確認できる。

すべてに明確に答えられ、三つ目の答えもポジティブなものであれば、大きな問題はないと言える。しかし、そうでない場合は要注意だ。現状を把握しきれていない、あるいは把握はできていても次の一手(➁)が見えていない、ということになる。
最初の一歩
そこから組織変革へ進む最初の一歩は、いきなりの制度改革ではない。社内のあちこちに散らばっている情報や、ベテラン社員一人ひとりの頭の中にしかない経験・ノウハウを、誰もが使える状態に整理していくことそれこそが、最初の、そして一番大きな一歩だと思う。この土台があってはじめて、教育や評価といった次の変革も効果を持つ。
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