ベトナムの人材育成、 “何となく”を疑ってみる―離職率と人材育成の意外な関係―【Vol.22-2026.9掲載】
頭を悩ませる離職率の高さ
Navigos Group(2026 年2月)のデータによると、ベトナムの自己都合退職率は外資系企業で年換算12~13%、ローカル企業では18~19%にのぼり、一貫して2桁水準で推移しています。
「人材育成に力を入れないから人が辞める」という見方
同調査では、「賃金・報酬」に次いで「昇進機会」「学び・成長の機会」が退職理由の上位に並びます。報酬と同じくらい「この会社で成長できるか」が、定着の重要な判断材料になっているのです。一方で企業側は、人材育成を戦略投資よりコスト管理の対象と捉えがちだとも指摘されています。このギャップを踏まえると、「人が辞めるから育成は無駄」ではなく、「育成に力を入れないから辞める」という見方の方が、因果関係を正しく捉えていそうです。
成長機会=アサインメント×スキルサポート
誤解されやすいですが、「成長機会 = 研修」ではありません。人は経験の中で多くを学びます。挑戦できる配属やキャリアパスの設計が肝となり、その挑戦で生じるスキルギャップを埋める研修を組み合わせる。この総合的なアプローチこそが、「成長できる」という実感を醸成します。
社員旅行という不可侵領域の投資対効果
人材育成の予算は限定的なのに、社員旅行には毎年予算を確保している企業によくお会いします。投資対効果に疑問を感じつつも、慣習として続けているという声もよく聞きます。実は前述の調査でも「社員旅行」への期待は明示されておらず、近い項目の「Team Activities」でも27%止まりです。現場のローカル社員に話を聞くと、全員が心から楽しみにしている訳ではなく、世代による温度差もあるようです。
「社員旅行 × 学び」という形
だからと言って社員旅行そのものを急にやめるのは現実的ではありません。そこで一部の企業が取り組むのが、プログラムの一部を「学び」に充てるアプローチです。企業理念の浸透やリーダーシップの醸成など、チームビルディングと相性の良いテーマを組み込むことで、社員旅行本来の意義を引き出す動きが出てきています。「学び」を含めることで、予算確保の調整がスムーズになるという副次的な効果も期待できます。
「故きを温ねて新しきを知る」ためのディスカッションパートナー
「郷に入れば郷に従え」の精神で現地の慣習を学ぶことは重要です。一方で、長年の運用が形骸化し、本来の目的を果たせないまま漫然と続くケースも少なくありません。「人」に関するテーマで直感的な違和感を覚えたら、その感覚を大事にし、ぜひ弊社までご相談ください。問題点の整理から解決策の設計・運用まで、一気通貫でサポートさせて頂きます。
No articles
ベトナム製造業トピック


