ベトナム 新規投資企業インタビュー[北部]【Vol.20-2025.9掲載】
日本での事業について
1958年に風呂敷卸として名古屋市で、事業を起こし60年を超える年月が経過いたしました。不織布の加工歴も 50年を超えました。起業以来「物づくり」にこだわり、卸から製造業へ転換し、風呂敷を柱にして幅広い包装資材の製造販売を手掛けて参りました。
昭和48年に、従来からの織物風呂敷に革命を起こす不織布製の風呂敷を開発しました。「結べる包装紙ア・ラ・ カルト(※)」の発売により風呂敷業界においての地位を確固たるものにしました。
※織物でもなく紙でもない包む楽しみを身近に感じることができる不織布の風呂敷
また、平成10年からは中国の協力工場にて織物風呂敷のOEM生産を委託し、量産を可能としコスト的にも弾力性を持たせ幅広い対応力を持ちました。更に平成15年には国内製造拠点強化のために三重県いなべ市に不織布加工の専用工場を建設、平成24 年にはISO9001認証取得を行い、効率運営と品質向上に努めて参りました。現在は主力販路の生活資材向けの包装資材に加えて、産業資材など新たな分野への展開にも力を入れて、常にお客様のニーズに応えられる商品づくりを行っております。
自社の製品について
包むという字は胎児が母親のおなかの中で育まれている形からできたとされます。そこから大切なものを包むまたは守るという意味があります。 日本では「包む」文化が古くからつづいており、特に「風呂敷」は文字通り風呂へ行く際に衣類を包んでいったものとされ、その後は贈り物や手荷物を包む布として広く用いられてきました。また贈るものは「物」であっても包むというひと手間をかけることでそこに、敬意や感謝といった様々な気持ちがメッセージとして込められています。日本の包む文化はただ持ち運ぶという実用面だけでなく大切な人に贈る又はものを大切に守るという思いが込められたものなのです。その素晴らしい文化を弊社の製品を通してこれからも継承していければ幸いです。風呂敷は環境に配慮したライフスタイルを象徴するものとしても、日本以外でも今、再評価されています。
ベトナム進出の決定理由
まず、第一の理由として、従来から梱包材として使用されている石油系のフィルムや不織布からは、廃棄の際出るCO2が、地球の温暖化に加担するもので使用を制限しようとする動きがあります。特に欧米諸国では使用制限の動きが顕著です。
現在ベトナムに進出している多くの日系企業にとっても、今後、環境を意識したものづくりが必要になるでしょう。そのため同じ用途の不織布も、リサイクル原料のものや、環境に優しい天然繊維や食物繊維由来のPLA (※)などの包装資材へ切り替えが求められていて、今回、そうしたニーズに的確に応えられる工場の建設を進めています。
※PLA: POLY-Lactic-Acid(ポリ乳酸) トウモロコシやジャガイモに含まれるでんぷんを原料にしたプラスチック
第二の理由は、日本国内市場の成長の鈍化があります。ご存知のように少子化、高齢化が進み新たな成長市場への進出を検討していました。弊社にとりましては初めての海外進出になりますが、今回は環境対応できる包装資材メーカーとして、成長発展するベトナムの皆さんと共に新たなビジネス展開を考えています。
ベトナムは、市場の成長性や安定した政治体制に加え、若くて優秀な労働力が豊富で高いポテンシャルをもった国です。実際に、ベトナム人と一緒に働いてみて感じたのは、成長意欲がとても高く、どん欲に知識を吸収したいという人が多いことです。社内では英語を使用していますが、自ら語学 (日本語)を学んでいる職員もいます。 とても勉強熱心で感心します。
弊社には、将来は東南アジアの拠点としてこの地域に根差したグローバルな企業へ成長していきたいという夢があります。是非、ベトナムの皆さんと共に、その夢を叶えていきたいです。
今後のベトナムでのビジネス展開
2024年12月に現地法人を立ち上げ、 2025年10月に工場を稼働開始して、 来年1月からフル生産を見込んでいます。不織布を使った環境負荷の少ない包材を現地で加工し、日系電子機器メーカーを中心に需要を掘り起こしていくビジネスとなります。
※リサイクル素材や生分解性のある素材の活用(ポリプロピレンやポリエステル素材と比べて環境負荷が低い)
我々の使命はお客様に安心、安全で、良質なものをリーズナブルでタイムリーにお届けすることです。日本で長年培ってきた安心と信頼をベトナムの地でも新たに根付かせていきたい。まずは小さく生んで大きく育てていきたい。安全と品質を優先し、しっかりと基本動作を身に付けて、正しい仕事ができる集団を目指し、貴国に貢献できる企業へと成長して参ります。
また日本の親工場(大安工場)とも人材交流を通じた相互の発展を視野に入れています。近い将来、ベトナムから日本の本社へ原価低減、業務改善の提案が出来る様に人材育成にも力を入れてまいります。
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