ベトナム 新規投資企業インタビュー [中部]【Vol.20-2025.9掲載】
日本での事業について
JON 72 グループは、1972 年の創業以来、FRP(繊維強化プラスチック)製品の設計・製造を専門に手がけてまいりました。創業当初はサーフボードメーカーとして事業をスタートし、そこで培ったFRP 加工技術を基盤に、多様な産業分野へと事業を拡大してきました。FRP は「軽量」「高強度」「耐食性」「耐候性」といった特性を持ち、私たちはその利点を活かしながら、住宅資材、建設、自動車、鉄道、計測機器、医療機器、産業機械など、幅広い分野の部品を製造しています。2002 年にはさらなる成長を見据え、中国・珠海市に自社工場を設立。これにより、中国市場への安定した供給体制とコスト競争力を確立し、海外展開を本格化させました。
またFRP の可能性を追求すべく、2004 年にはFRP 製の超軽量飛行機の試作に挑戦。2005年にテストフライトを成功させ、2006 年には中国航空ショーに出展しました。さらに2010年には中国初の自社開発軽量飛行機「紅嘴カモメ」を完成させ、再び航空ショーに出展。FRPの「軽さ」と「強さ」を空の領域でも証明しました。この経験は現在の風力発電保守事業にも活かされています。設計から金型製作、成形、仕上げまでを一貫して自社で行える体制を持ち、高品質・短納期・柔軟なカスタマイズ対応を実現。日本国内で確立した厳格な品質基準を軸に、原材料選定から最終検査まで徹底した品質管理を行っております。現在は、日本・中国、そして新たに設立したベトナムの3 拠点体制で、より安定した供給と柔軟な対応力を強化し、お客様の多様なニーズにお応えしています。
日本市場における状況
日本国内では、建築資材、自動車部品、鉄道関連、医療機器、計測器、産業機械など、多岐にわたる分野で長年ご評価をいただき、安定した取引を続けています。特に日本市場では、品質・安全性・耐久性への要求が非常に高いのが特徴です。当社では、自社一貫生産体制と厳格な品質管理体制を活かし、高品質で短納期、かつ安定した供給体制を実現。こうした対応力が、日本のお客様から長年にわたる信頼をいただいている理由のひとつと考えています。
一方で、日本の製造業界全体が直面している課題として、労働人口減少や製造コストの上昇が挙げられます。私たちは、こうした環境変化にも柔軟に対応し、高付加価値製品の提供や環境対応製品の開発を積極的に進めています。また、中国とベトナムの工場も活用し、日本市場でも高品質と価格競争力を両立。今後もさらなる顧客満足度の向上に努めてまいります。
ベトナム進出の決定理由
弊社がベトナム進出を決定した背景には、生産拠点の多角化とリスク分散の必要性がありました。これまで日本・中国の2 拠点体制で安定した供給を続けてまいりましたが、政治的・経済的リスクの顕在化や人件費の上昇といった外部環境の変化を受け、さらなる安定供給体制の強化が求められておりました。その中で、チャイナプラスワン戦略の一環として新たな拠点を模索し、経済成長が著しく、労働力が豊富で、ASEAN 市場へのアクセスにも優れたベトナムを選定しました。
拠点選びでは、ハノイやホーチミンといった都市部も検討しましたが、最終的にはフエ・ダナン地区に決定。実際に視察で訪れた際、美しい海と温暖な気候、都市過ぎず田舎過ぎないちょうど良い環境が社員にとっても働きやすいと感じたことが決め手となりました。さらに、進出先であるチャンマイ経済区においては、** サイゴン・フエ投資株式会社(SGH)** が工業団地の開発・運営を手がけており、インフラ整備や各種支援体制が充実している点も大きな魅力となりました。SGH は、工場用地の提供だけでなく、電力・水道・交通インフラの整備、税制優遇措置の案内、労働力確保の支援など、多方面から企業の進出をサポートしています。こうした中小企業でも安心できるビジネス環境が、弊社の決断を後押ししました。
今後のベトナムでのビジネス展開
ベトナム拠点では、2025 年第2 四半期に本格稼働を予定。まずは日本・中国工場と同等の品質基準を満たし、安定した製品供給体制を築くことが最優先です。中長期計画としては、2028年に第2工場の設立、2030年には第3 期工事を予定しており、生産能力の段階的拡大を目指しています。これにより、東南アジア市場への重要な供給拠点として育てていきたいと考えています。
また、生産量拡大と並行し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した生産管理体制の改革にも着手。バーコード管理を導入し、作業実績をデータ化・可視化。社員一人ひとりの評価が公平に行える仕組みを構築することで、働きがい向上と管理負担軽減を実現します。現地での雇用創出・人材育成にも注力し、地元と共に発展し続ける企業を目指してまいります。持続可能な社会への貢献も、我々の重要な使命と捉えています。
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